おとななこども
「何ですか?」

会長が、あたしに視線を向ける。

こんな状況は、いつものことでしょ?

なのにあたしの心臓はドキドキと、うるさく鳴っている。

「――あ…あたし…」

心臓のうるさい音が、会長に聞こえているのではないかと思った。

「あたし、会長のことが…」

こんなに心臓がドキドキ言っていたら、口からそれが出てきてしまうんじゃないかと不安になる。

「――会長のことが、好きです…」

…言ってしまった。

会長に、告白してしまった。

初めての愛の告白に、あたしはどうすればいいのかわからない。
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