おとななこども
会長が驚いたような顔をした。

そんな顔をされたあたしは戸惑ってしまう。

だけど、会長はすぐに微笑んだ。

その微笑みに、今までうるさく鳴っていたあたしの心臓が落ち着いた。

会長はあたしを抱きしめた。

あたしの躰は、会長のぬくもりに包まれる。

「やっと、僕のものになった…そう解釈してもいいんですね?」

あたしの耳元で、会長がささやくように言った。

「はい…」

あたしは答える。

「嬉しいです」

会長は離さないと言うように、さらに強く抱きしめた。
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