おとななこども
「あたしの方が、ずっと嬉しいです…」

あたしは呟くように言った。

ずーっと前から会長の気持ちがわかっていたとは言え、初めて会長に自分の気持ちを告白した。

断られたらどうしようなんて言う不安があった。

でも、会長だから…って、信じてた。

会長が抱きしめていたあたしの躰を離した。

「――ッ…」

普段から会長の顔を見ているとは言え、ちょっと恥ずかしい。

会長は目を閉じると、ゆっくりとあたしに顔を近づけた。

あたしは、それを受け入れるために目を閉じた。

自分から会長を受け入れるなんて、今日が初めてかも知れない。

会長の唇が、あたしの唇に触れた。

その瞬間、あたしと会長の思いが通じあったと改めて知らされた。
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