おとななこども
相も変わらずな人たらしぶりだと思う。

いらないって言って、断ればいいだけの話なのに。

「桃?」

委員長に名前を呼ばれた。

「何?」

そう聞いたあたしに、
「何か…怒ってる?」

心配そうに聞いた委員長に、
「何でもないよ?」

あたしは笑って首を横に振った。

委員長に怒ってる?と言われるほど、あたしはどんな顔をしていたのだろうか?


その日の昼休み。

お弁当と会長にあげるはずだった生チョコを持って訪ねたところは、屋上だった。

「久しぶりだな…」

あたしは呟いて、腰をおろした。
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