おとななこども
最後に屋上へきたのは、文化祭の時。

あたしと会長が初めてキスをした日の以来だった。

今日は冬にしては温かい陽気だ。

ポカポカ陽気に包まれながらお弁当を食べ終えた。

「ごちそうさまでした」

つぐみちゃん、今日も美味しいお弁当をありがとうございました。

さて…と思って視線を向けたのは、生チョコの箱。

「どうしよう、かな…」

捨てる…のは、もったいない。

何より、つぐみちゃんの怒りが怖い。

食べ物を粗末にすると、彼女の雷が落ちるのである。

「おや」

その声に視線を向けると、
「会長」

会長はあたしの隣に腰を下ろした。
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