おとななこども
バラの花…とは言えど、100本もあると重い。

って言うか、100本もバラを用意するなんてキザっぽいなあ。

そう思ったけど、会長だからいいかと喜んでしまうあたしもいた。

会長はあたしがバラの花束を受け取ったことを確認すると、
「ずっとあなたの隣にいる権利を、僕にください」
と、言った。

「…えっ?」

それってまるで、
「時間がかかってもいいから、あなたと結婚したい…と言うことですよ」

会長は微笑んだ。

「ぷ、プロポーズなんて…早過ぎます!」

口ではそんなことを言うあたしだけど、本当は嬉しいと思っている。

「プロポーズには早いも遅いもありませんよ。

桃の隣と未来を予約したもの勝ちですから」

ほらね、あたしが口ではどんなにひどいことを言っても会長はそれをわかってる。

わかってるから、そんなデレ甘い笑みで平気で返せちゃうんだ。

「桃、返事は?」

返事をうながす会長に、
「イエス…に決まってるじゃないですか!」

あたしは返事をした。


☆★END☆★
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