おとななこども
「テニス部の子よ?

通称、姉御」

「姉御?」

話はまだ続いていたようだ。

テニス部で、あだ名は“姉御”か。

まあ、僕には関係ないけど。

「えーっとね…確か名前は…果物だったな」

「果物?」

僕と女の子の声が重なった。

「あっ…」

女の子が僕に視線を向け、ポッと顔を紅くした。

「失礼しました」

僕が言葉を返すと、女の子は恥ずかしいと言うように両手で顔をおおった。

しかし…名前が果物かあ。

まるで百花みたいだ。
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