おとななこども
4組の平岡桃。

それだけの情報を頭の中に入れて、僕は彼女がいると言うクラスに向かった。

4組の前につく。

「おめでとう、桃!」

すぐに、彼女は見つかった。

平岡桃はクラス中の女子に囲まれていた。

「まあ、乗せられて見るものなんだな」

口ではそう呟いていると、表情はまんざらでもないって言う感じだ。

高い位置でポニーテールにしている黒髪。

雪のように白い肌。

二重のぱっちりとした瞳に、文字通り桃色の小さな唇。

「ヤバい…!」

大きな声を出しそうになった口を手で押さえ、その場からすぐに立ち去った。
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