おとななこども
彼女ともっと話がしたい。

その願いが神様に通じたのかどうかは未だに不明だ。

2年生に進級した時のクラス発表で、
「――あった!」

自分の名前と彼女の名前を見つけた。

まさかの、一緒のクラス。

これは、ただ単に僕が強運なのか。

それとも、運命なのか。

僕は彼女と一緒のクラスになれたことを心の底から喜んだ。


「お兄ちゃんさ、大丈夫?」

その日、百花がこう言った。

「えっ?」

読んでいた文庫本から顔をあげ、僕は尋ねた。
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