おとななこども
夕飯の後、百花の部屋で読書をするのが僕の習慣だ。

何故なら…かわいい彼女の顔をずっと見ていたいから。

百花はうっとうしそうだけど。

僕が顔をあげたと言うのに、彼女は宿題にいそしんでいた。

「何が大丈夫なんだい?」

そう聞いた僕に、
「…何か、ベタベタ感がなくなってきたなって」

百花は呟くように返したのだった。

そう言えば僕が百花の部屋に入って読書をする前にしていた習慣は、
「かわいい!」

彼女にベタベタすることだった。
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