おとななこども
そう言えば…最近なかったような気がする。

正直忘れていたと言っても、過言ではない。

僕は腰をあげて、百花に歩み寄った。

「甘えて欲しいって?」

「そんなこと言ってないでしょうが!」

百花に向かって手を伸ばした僕に、彼女は英語の教科書を投げつけたのだった。


「それでは、本日はここまで」

「ありがとうございました」

華道部の本日の活動が終わった。

後輩たちが帰っていく中、僕は再び窓際に歩み寄った。

テニス部はまだ活動を続けていた。
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