おとななこども
平岡さんが後輩たちの練習につきあっていたからだ。

さすが、“姉御”だ。

後輩たちの面倒もつきっきりでよく見ている。

後輩が打ったボールが向かいのコートに入った。

その様子に後輩は喜んで、平岡さんとハイタッチ。

ハイタッチされた平岡さんの顔も笑顔だった。

――その笑顔、ぜひとも僕だけに向けてくれないだろうか?

彼女に弁当箱で殴られた頭に手を触れた。

「イテテ…」

まだ痛みが伴っていた。

まあ、彼女に手を出そうとした僕も僕で悪い訳なのだが。
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