おとななこども
その声に視線を向けると…わっ、美女だ。

腰まである黒髪と猫のような大きな切れ長の目が特徴的だ。

その子はセーラー服を着ていた。

あっ、このセーラー服、真里が通っている中学校と一緒のものだ。

「お困りじゃないんですか?」

見とれていたあたしに、美女が声をかけた。

「あっ、すみません。

白鳥さん家を探しているんですけど…」

美女に地図を見せた。

「んー?」

美女は地図を覗き込んだ。

「何だ、逆方向じゃないか」

地図を見た美女は一言言った。

「えっ?」

地図が逆ってこと?
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