おとななこども
地図をひっくり返そうとしたあたしに、
「違う、道のこと」

「あっ」

美女があたしの手から地図をひったくった。

「案内する」

ヒラヒラと地図を動かし、美女が先を歩いた。

「あっ、待ってー」

あたしは美女の後を追いかけた。

美女は歩くのが早い。

あたしは早足で美女の後を追いかける。

この子、何か運動でもやってたのかしら?

「ついたぞ」

美女が立ち止まると言った。

「――ウッソー…」

そう、呟かずにいられなかった。
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