冬色こんぺいとう✳︎
なにやら、翔琉くんのお家は


ちょっとだけ、遠いようで…


寒い…。


「お前、さみーの?」


なんにも喋らなかった翔琉くんが


一言目に話した言葉がこれ。


「えっ?だいじょーぶだよっ」


まぁ、確かにちょっと寒かったけど。


我慢できるしね。


「嘘つくなよ。さみーんだろ?
手ぇ貸せよ。あと、これ着ろ。」


そう言った翔琉くんは、


私の手をとって自分の上着を私に


着せて、歩き出してしまった。


翔琉くんとつないだ手は


ぽかぽか、あったかくて。


1人じゃないんだなって


涙が出そうになった。
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