夜桜

「だって、また遊びに行くって言ったきり、もう一年になるんだもの。ずっと、待ってたのに」


「待ってた?」


僕は彼女の言葉に、反応した。


「でも、だんだん、あれは社交辞令だったのかなって、思い始めてたところです」


「ごめん」


僕はいたたまれなくなる。


「あ、そうじゃなくて。
忙しいのはわかってるし」
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