夜桜

「ソファーに座ってて」


そう言われて、ソファーに座ると、こっそり部屋の中を見渡した。

置いてある雑貨や置物が女性の部屋だと嫌でも意識させる。


「みんなは遅番だから、着くのは八時半回ると思うの」


「うん」


「まだ一時間もあるけど、瀬上さん、何か得意料理とかある?」


「え、突然言われても…」


「そうよね。まいっか、いろいろ買ったし」
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