夜桜

久莉子は人事交流で系列会社に派遣されて、二年目の春を迎えていた。


「今日は、仕事の後、何か予定ある?」


「うん、ええと…」


久莉子が思わず、口ごもる。


「ごめん、突然来たから。気にしないで」


瀬上が慌てて言った。
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