先生の「特別」にしてくださいっ!
「でも、うちのクラスの担任が、
悠美っちで良かったよ。」


ガラガラガラ…

そう言うと同時に、
その悠美っちが入ってきた。


「はい、静かに。
改めまして、
今年、このクラスの担任になる
林悠美です。
この学年の人とは、
去年、国語の授業でお会いしたかも
しれません。
時間割を見ればわかりますが、
今年は古典を教えます。
よろしくおねがいします。」


担任の林悠美先生。
30代後半子持ち。

雪乃と私のクラスは去年、
国語を彼女に教わっていた。

結構親しみやすい先生で、
生徒たちの間では、
悠美っちとのあだ名で呼ばれている。


「さっそく職員室に配布物を
取りに来るのをお願いしたいんだけど…
あ、入学式そうそう遅刻してきた、
滝野さん。来てくれる?」

え…?

「いえ、あの。遅刻してないんで、
ギリギリ間に合ったんで。」

「結構、たくさんあるから重いの。」

聞いてないし。

「私、箸より重いもの持ったことないんで。」

職員室なんて辛気くさいとこ行きたかない…


「滝野さん…そんなに私と歩きたくないの?」

えええー
なんだ?その、メンヘラ発言。
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