先生の「特別」にしてくださいっ!
「…滝野?」

ドアを開けて出てきた先生は、
中々に顔色が悪かった。
大丈夫、かな?

「あ、えっと…
ゆ、郵便物、間違って入ってて…」

なんで私は素直に大丈夫ですか?
と聞けないのか。

「え?ああ、どうも。」

「あ、あの!
風邪、大丈夫…ですか?」

「ん?おう。
熱も結構下がってきたし、大丈夫だ。」

そう答える先生は
やっぱり少し、辛そうな気がする。

「もしかして、お一人?」

どうやら部屋の中に、
人の気配は無い。

「当たりめーだろ?
一人暮らしなんだから。」

「いや、ほら先生、風邪引いてるのに。」

「俺は寂しい26歳なの!ゴホゴホ…」

「あ、大丈夫ですか?」

「だから、お前が、お見舞い第一号だ。」
< 116 / 418 >

この作品をシェア

pagetop