先生の「特別」にしてくださいっ!
はい?

…………

はい?

今なんて言った?この男。

「その、風邪引いた時って、
いつも俺が寝るまで
兄貴がそばにいてくれたから。」

乙女か!

ていうか私、あなたの兄貴じゃないし。

あなたの生徒だし。

いや、今はお二階さんか。

いや、お二階さんに頼むことでもない。

「鍵なら机の上に置いてある。
閉めて、
郵便受けにいれといてくれればいいから。」


「…わかりました。」

まあ、いいけどさ。


家に帰っても、
特にやることもないし。


風邪で心細くなってるのか?

大丈夫かな?

熱上がったんじゃないの?


先生の額にそっと手をあててみる。

あっつい!

「あーつめてぇー気持ち良いー」

先生にしてみれば私の手は
冷たくて気持ち良いらしくて、

「俺が寝るまで、このままな。」

と言って、
目を閉じてしまった。
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