先生の「特別」にしてくださいっ!

心配の日

「おお!プレパラートがまた割れた!」

「…雪乃、それ、何個目よ?」

「凛も少しは手伝って!」


次の日、生物の授業は実験だった。

何故か、全く集中できない私は、
基本的に雪乃にほとんどを任せていた。


「顕微鏡の扱いが
驚くほど苦手な雪乃さんを、
少しは鍛えてあげないとね。」


先生のあの様子からすると、
きっと今日の日本史も自習だろう。

3、4限連続のこの実験。
もし、時間内に終わらなくても
昼休みがあるし、
実験のノートのまとめなら
その自習の時でもどうにかなる。


「はあ…やっと成功しそう。」


結局あの後、
先生が寝息を立て始めるまで、
私はあのままでいて、

私の手の代わりに濡れタオルを額に乗せて、
先生の家をあとにした。

「これなら、
昼休みまでかからずにどうにかなるかな?」

ガチャ…

「あ…また割れた。」
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