先生の「特別」にしてくださいっ!
腹が立つ?

本当に?

そうじゃなくて、


私は先生の事を心配しているのでは?


職員室でのあの疑問が、
再び、私の頭を過る。

思い出すのは、
昨日の弱っている先生の姿。

あんなに熱が高かったのに、
辛いだろうに、

なんで今日、学校に来たの?

そんなに私たちの授業が大事なの?
もっと自分を大事にしてよ。

この感情は、怒り?


じゃあ、なんで、今こうして、
窓の下を眺めながら、帰りを待っているの?

ひとこと文句言ってやりたいから?


…違う。


…違った。



それ以上に私は、
先生の無事を祈ってるんだ。



風邪が悪化してないかとか、
どこかで倒れてないかとか、

そんな心配をしていることを忘れたくて、

怒っていると自分を騙してたんだ。




私は、

先生の事を心配しているんだ。
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