先生の「特別」にしてくださいっ!
先生…早く帰ってきて…



自覚してしまうと、
本当に心配になってしまう。

家に帰ってきてまだ、
30分もたっていないのに、
半日くらいたっているような感覚に襲われる。

我ながら馬鹿だな。
馬鹿は私だな。

なんて思い出したころにようやく、
窓の下に人影が現れた。

間違いなく先生だ。

私は咄嗟に部屋を飛び出していた。



カンカンカンカン…


焦りながらも、
転ばないように外階段を駆け降りる。

「滝野!?」

先生が気づいてこちらを向いたときには、
もう、私は先生の目の前にいて、

「この、馬鹿が!!!!」

思わず頬っぺたをビンタしていた。
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