先生の「特別」にしてくださいっ！

「勇ってさ、今彼女いたっけ？」

駅までの車内。
黙っていると眠ってしまいそうだったので、
とりあえず、女の話題を振ってみる。

「３ヶ月になる彼女がいる。」

なんだと！？

「ちょ…聞いてねえし！
どこで知り合ったの？」

「え………街コン。」

「ああ…なるほど。どんな娘？」

「すごい家庭的な娘で、
手料理がめっちゃ旨い。」

「おーいいねえ。
家庭的な女のタイプの俺、一目惚れ！」

「思いついたからってラップするな。
ていうか、段々返しが適当になってるけど、
本当に大丈夫かよ！」

「いやーまじ眠い。」

「もう少しで駅着くから。
…守は彼女いるんだろ？」

「いたら、
お前にこうして送ってもらってねえよ。」

「あれ？そうなの？まだ、いないの？
てっきりもうとっくに出来たと思ってた。
風邪引いた時には、
おいしいお粥を作ってくれる彼女とか、
いると思ってたよ。」

「いないいない。出会いねえし。」