先生の「特別」にしてくださいっ!
「え………?」

何が起きたのか、
いまいち把握出来ないで、呆然としていると、

「心配しただろうが!何考えてるんですか!
この、馬鹿!」

怒られた。

…心配した?滝野が俺を?

「ごめんな…」

その迫力に思わず謝ってしまう。

そうしたら、滝野が我に返ったらしく、

「あ………えっと、
ご、ごめんなさい!つい…」

謝られた。

「心配…してくれたのか?」

こいつがこんな感情的になるところを
はじめて見た。

「当たり前です!
まだ治ってないくせに、
学校行って、授業して!
こっちは心配で何も、手に、つかな、て…」

最後の方が涙声になっていた。
本当に意外だ。

「……心配かけて、悪かった。」

意外だけれど、
そんな滝野の意外な姿を見れたことが、
ちょっと嬉しくて。

そして何より、
滝野にこれだけ心配されているということが、
結構嬉しくて。

怒りながらも、
滝野の陽だまりのような心を感じた気がして。

叩かれた頬も痛くはなく、
むしろ、暖かく感じてしまった。
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