先生の「特別」にしてくださいっ!
だけど、俺の体はそろそろ限界みたいだ。

ドサッ…

思わず、滝野の方へ倒れこんでしまう。

「先生!?大丈夫ですか!?
しっかりしてください!!」

ああ、俺、情けねえな。

「わりぃ…部屋まで肩、貸してくれ。」


滝野の背中に覆い被さって、
部屋の中に入り、
敷きっぱなしの布団に寝かせてもらった。

…少しは楽になった。

目を閉じていると、
額に冷たいものが乗せられる。

…冷たくて気持ち良い。

「あの…他に何か、
してほしいことはありますか?」

少し目を開くと、心配そうな滝野の顔。
そんなに俺なんかを心配してくれているのか。

「上に住んでるのが、
滝野で良かった…」

その姿がどことなく愛おしくなり、
手を伸ばして頭を撫でてしまった。

「先生…?」

不思議そうな滝野の顔。
…今日は色んな表情が見れる。

風邪を引いて、良かったかもしれない。
と不謹慎にも思ってしまった。
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