先生の「特別」にしてくださいっ!
「ていうか、なんで、ここがわかったわけ?」

と彩音が嫌そうに聞く。

「それは内緒です。」

「なにそれ、キモっ!
ストーカーなの?」

「違います!」

「何が違うの?この変態!」

「もう変態でいいです!
とりあえず、帰りますよ!」


…………
なんだろう、このやり取り…

「痴話喧嘩?」

そう、それだ!

「私もそれ、言おうと思った!」

と言ったら、

「違うわ!
何が悲しくて
主治医と痴話喧嘩せにゃならんのだ、
ボケがあ!」

彩音が怒った。

「でも、仲良さそうだし。」

「うんうん。
喧嘩した彼女を
迎えに来た彼氏って感じがする!」

雪乃も的を得たことを言うなあ。

「はあぁー?だーれがこんな真面目君と!?
あんたも何、赤くなってんの?」

真面目君の方を見ると、本当に赤くなってる。

「あ、本当に赤くなってる。」

雪乃も気づいたらしい。

「これにこいつの弟の爽やかさが、
10分の1でも入ってればまだマシなのに。」

「ん?弟?」

と疑問に思ったら、
次の瞬間、
真面目君はとんでもないことを言った。

「申し遅れました。
僕の名前は谷中 剛。
皆さんの高校にいる日本史教師の谷中 守は
僕の弟です。」
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