先生の「特別」にしてくださいっ!
兄?

先生の?

《俺には3つ上の兄貴がひとりいて…》
《学校の近くで医者やってるよ。》
《真面目を絵に描いたような外見なの!》

ああ!

「ブラコン兄!」

「へ?」

「たきのり、知ってんの?」

思わず、思ったことを言ってしまうと、
雪乃と彩音が不思議そうにこっちを見た。

あ…
どうしよ…

「前に…ちょっと聞いたことあっただけ。」

「ああ、凛、
学校だよりでインタビューしてたもんね。」

「そうそう!」

雪乃ナイスフォロー!

「ちょっと眼鏡を外してみて下さい。」

雪乃が興味を持ったのか、そう言う。

「え?あ、はい。」

なるほど。

「ああ、確かに似てるかも。」

うん。目はそっくりだ。

「なんで兄弟で、性格がこうも違うのか。
もう少し、柔らかかったら、
こっちもやり易いのに。」

「とりあえず、彩音さん、
そろそろ帰りますよ?」

「はいはい。わかりましたよー。」

そう言えば、
昨日、先生に彩音達と会うって言ったっけ?
珍しく詳しい場所まで聞かれた。

あ…

ひょっとして…
いや、多分間違えなく、
ここの居場所、バレたの私のせいだ。
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