先生の「特別」にしてくださいっ!
結局私は半分くらい埋められた。

意外に難しい。
この辺にこんな国があった気がする。
と思っても、正確な場所がわからない。

「はい、止め!
もう少し時間がほしい人はいるか?」

大体の人は諦めていたから、
さっさと終わりにしてくれ
という空気だった。

「うっし。じゃあ答えあわせだ。
赤ペンを持てー」

あ、自分で答えあわせする感じね。

「まずこの、
青森から福島にかけての国名、
これわかったやつ、いるかー?」

陸奥。

「むつー」

と前の方の席の子が答える。

「正解。」

先生は黒板に、陸奥と書いた。

「さっき言ってくれたようにこれは、
"むつ"と読むし、
"みちのく"とも読む。
ちなみに、かの有名な陸奥宗光。
彼と陸奥の国はあんまり関係ない。
話せば長くなるから、あとでな。
有名な人物を挙げるとすれば、
伊達政宗だな。
ナイキマークの兜を被ってる武将だけど、
ナイキのまわし者ってわけではない。」

ナイキって…
クラスにどっと笑いが起こる。

そんな感じで答えあわせが終わり、
気がつけば一時間の授業が
終わっていた。

答えあわせした答案を回収して、
先生は去っていった。
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