先生の「特別」にしてくださいっ!
「谷中先生って
すごいイケメンだよねー」
「ちょー身長高いし、ほんと神っ!」
「あんなにかっこよくて優しいのに、
彼女いないとか絶対嘘でしょ!」

日本史の初回の授業が終わった後、
クラス中が、
谷中先生の話題で持ちきりだった。

雪乃情報だと、
一年生が、
谷中先生の初めての授業を受けた後に、
この状態になるのは、
毎年の恒例行事らしく、

我が校では
これが谷中ショックと呼ばれている。

とかなんとか。

まあ、谷中先生は確かに顔は良い。
少し明るめの色をした髪と
明るい笑顔がイケメンと言えば
イケメンかも
そこはちょっと認める。

身長も高い方だ。180センチくらい?
しかし高い方というだけで、
神に等しい高さではないと思うのだが。

まあ、我が国は多神教であるのだから、
何を神と言って悪いことではないのだ。

何故、恋人がいないのか。

容姿はそれなりであっても、
外では性格が果てしなく悪いのか、

はたまた実はそっちの方で
男しか愛せないのか。

私にはわからない。

が、まあ、先生に恋人がいない理由など
べつに知る由もないし、
正直どうでも良い。

とりあえず、
谷中ショックに陥っている周りと
話すのが思いの外大変で苦労した。

雪乃は楽しんでいたみたいだけど、
私は疲れた。

女子高生のマシンガントーク、
恐るべし。

と私はげんなりしていた。
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