先生の「特別」にしてくださいっ!
ああ…私はなんてバカなんだろう。

教師からしてみれば、
生徒なんてただの子どもじゃん。

恋愛対象として見るなんてありえないでしょ。
そんな事くらい、わかってるのにな…

服のポケットにしまってある勾玉を見る。

両思いになれることなんて、ありえないのに。
なのに、なんで?なんで私は…


その時、窓の外がピカッと光った。

何?

急いで窓の外を見る。

あ、今日、花火大会だっけ?

退院したらしい彩音に、
一緒に行こうって言われてたのに
断っちゃったなあ…悪いことしたなあ…

花火か…

先生も、下の階から見ているのだろうか。


ドンドン…


そんな事を考えた瞬間、
玄関のドアが叩かれる。

誰?

不思議に思いながら、玄関のドアを開ける。

「滝野ー!外、花火だぞ!」

先生!?

…なんで?

「そうですね。」

花火くらい流石に知ってた。

「お前の部屋からの方が、
綺麗に見えるんだよ!」

「私の部屋?」

どういうこと?

「ちょっと、上がるぞ。」

先生は私の部屋にずかずかと入り、
いきなり窓を開けた。

「ほら、やっぱり。」

そう言うと、いきなり窓枠に手をかけた。
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