先生の「特別」にしてくださいっ!
「ちょ…何してるんですか!?」

「何って、外の方が良く見えるから。」

「良く見えるって…
あぶないから、降りてくださいっ!」

「大丈夫だーよっと。」

次の瞬間、先生が視界から消えた。

「先生!?」

急いで窓の外を見る。

「滝野!ここ、絶景!お前も来いよ!」

先生は窓の上、
つまり、屋根にいて、私に声をかけた。

「いえ、私は多分、登れないので…」

無理…私の運動神経じゃ、絶対登れない。

「えー?
こっちの方が絶対良く見えるって。
俺が手伝ってやるから、ほら!」

そう言って、先生は私に手を差し出す。
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