先生の「特別」にしてくださいっ!
「ふう…やっと…終わった…」

何度もやられながらボスを倒し、
なんとかひとつのダンジョンを終わらせた。

「ご苦労様。」

「"ご苦労様"じゃないです!
なんのヒントもくれないで!」

「ネタバレは悪いかなあ…と。」

滝野は文句を言いながらも楽しそうだった。
只今の時刻は午前2時。真夜中だ。

「もう2時…ですか。
…あ、ていうか、今さらながら、
ごめんなさい。付き合わせちゃって」

本当に今さらだな。

「いや、別に。俺も楽しいし。」

あと、ちょっと頼られた事が嬉しかった。

「滝野って、ホラー系、苦手?」

「…はい。ホラー映画とか絶対無理です。
文化祭のお化け屋敷ですら、泣きました。」

意外だ。

「いつも割りと冷静だから、
怖いものとかないと思ってた。」

「そうですか?虫とかもダメですよ。」

「ああ。そういや、そうだったな。」

「それにいつも冷静ってわけでもないです。
すぐ取り乱しますし。
さっきだって先生の迷惑とか何も考えずに、
部屋まで頼みにいっちゃいましたし。」

「だから、それは良いんだって。」

わざわざ頼りに来てくれた事が
本当に嬉しかったから。

「ありがとうございます。」
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