先生の「特別」にしてくださいっ!
「でも、滝野は俺が高校ん時よりも、
ずっと大人だよ、やっぱり。」

「そうですか?」

「さっき兄貴と電話してて思い出したけど、
俺がお前くらいん時は、
兄貴と喧嘩してよく家出してた。
友達に世話になったりしたけど、
一度も謝ったりしたことねえしな。
"悪い"とか考えたこともなかった。」

「ふふふ…先生らしいです。」

「本能のままに生きてたなあ、俺。
兄貴にもしょっちゅう怒られてたし。
今でも怒られる。」

「本当に仲良いんですね、お兄さんと。」

「まあな。
最近、向こうは忙しかったらしくて、
さっき久々に電話したんだけど、
明日の夜も飯食いに行くことになった。」

「良いですね。
いつまでも二人でご飯食べに行くくらい、
仲良いなんて。」

俺もそう思う。

…って、いや?

「いや、休みの日なら、
俺じゃなくて、恋人とかと
デートしてほしいところなんだけど。」
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