先生の「特別」にしてくださいっ!
「先生。
私も質問があるんですけど。」

「ん?なんだ?」

「東大寺の大仏と
鎌倉の大仏の違いについてです。」

「あー…
さっき授業中にちょっと言ったやつか。
説明すると長くなるんだわ。」

「そうですか…」

「図書室にそっち系の本があったはずだから、
とりあえず探してみろ。
それでわかんなかったらまた質問に来い。
他に質問がある奴いるか?」

そう言って、
私との会話を終わらせると、
先生は再び取り巻きの方々との
おしゃべりを笑顔で楽しみはじめた。

…今、私と話した時あんな笑顔してなかった。

あの子たちと話す方が、
私と話すよりも楽しいって言うの?

あんなあからさまな媚を聞いて、
嬉しいの?

先生は、
私よりも、
あの子たちの方が、
好きなの?
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