先生の「特別」にしてくださいっ!
「…ありがとうございます。」

結局、先生に買ってもらってしまった。

「どういたしまして。
温かいうちに食べたいから、
食べながら帰るか。」

「はい!」

さっそく一口食べてみる。

っ!!!!

「美味しい!!」

外がサクサクで、
中がトロってしてて、甘くて…

「し…しあわせ…」

「ぷっ…はははは!
幸せ、か。そりゃ良かった。
うん、たしかに旨いな!」

「そんなに笑わなくても。」

「ごめんごめん!
本当に幸せそうだったから面白くて。
クリームいっぱい入ってるから、
溢さないように食え?
そして、制服汚すなよ?」

「わかってます!」

お父さんみたいなこと言うな!

でも、
普段、食べ歩きを注意する立場の先生が、
食べ歩きを提案し、
一緒に食べ歩きをする。

さっき寄り道が見つかって逃げようとした私は
なんだったんだろうか。

自分で考えて可笑しくなる。
< 224 / 418 >

この作品をシェア

pagetop