先生の「特別」にしてくださいっ!
「………39度。
ってお前…よくそんなんで
駅まで一人で帰ってきたな。」

「私はやればできる子なのです。えへへー」

「いや、別に今、全然ほめてねえし。」


急いで部屋から取ってきた体温計で、
熱を測らせると、39度もあった。

こんだけ高けりゃ、どう考えても辛いはずだ。

というより、
ひょっとして今朝の時点で
既に熱があったのでは?

「お前、
朝から具合悪かったんじゃないのか?」

と聞いてみると、

「まだいけると思ったんですけどね。」

と返ってきた。

「そこは休んどけよ。」

と言うと、

「…家にいても寂しいだけだし。」

と返ってくる。

「今日、土曜日なの、知ってるよな?
俺が土曜日休みなの知ってるよな?」

まあ、今日は学校に行ったけど。

「はい…」

「少しは頼ってくれって。」

「すみません…今度はそうします。」

やけに素直だ。
いつもだったら
迷惑かけるから云々言いそうなところなのに。

おかしい。
何かを隠してる?
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