先生の「特別」にしてくださいっ!
というのは、私のエゴだけど、

本音を言ってしまえば、
父はほとんど日本にいないのに、
父抜きで、新しい母と弟とだけ暮らすのが、
私にはちょっとしんどかった。


だから私は家を出た。
もう高校生になるから、と。


学校が、一人暮らしを禁止していることなど、
父も新しくできた母も知らない。

最初は、心配だからと反対されたけど、
なんとなく私の気持ちを察した二人は、
最終的に了解してくれた。



一人暮らしの費用は父が、
すべて負担してくれている。

学校がバイト禁止だから。
一人暮らし禁止の校則を破っておいて
何を今更という感じもあるが、
実際、時間ないし。
勉強しなきゃいけないし。


流石、高給取りの商社マン。
私の学費だって結構な額なのに。
私のわがままを聞いてくれた。

中々会えなくても、
金銭的に支援してくれる。
私にはそれだけで十分な愛情だった。
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