先生の「特別」にしてくださいっ!
《もしもし?守?どうしたの?》

「兄貴、今、時間だいじょぶ?」

兄貴は相変わらず、
すぐに電話にでてくれる。

《え、うん。
夜勤明けで今から帰ろうかと。
ていうか焦ってる?
なにかあった?》

よかった…

「滝野が、滝野が…」

なんと言えばいいのかわからない。

《守。とりあえず、落ち着こうか。
上の階に住んでる子だよね?
その子がどうかしたの?》

兄貴はいつも冷静だ。

「39度の熱を出して、
一週間くらいなんも食ってないらしくて…」

比べて俺は、
焦りすぎて何を言っているんだかわからない。

《………》

それでも、伝わったらしくて
兄貴は何かを考えている。

「兄貴?」

《病院にはつれて連れて来られない?》

「ちょっと…無理っぽい…」

《わかった。
熱以外に症状は、なんかある?》

滝野を観察してみるけど、

「特にない、と思う。」

《多分、ただの風邪だと思うけど、
栄養剤持って、今からそっちに行く。》
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