先生の「特別」にしてくださいっ!
最初は俺の事を避けるし、
全然笑わねえし、
なに考えてんだか、全くわからなかったけど。

時が経つにつれ、
だんだんと打ち解けてこられた。

そして、
時には本当に高校生か?
と思うくらい冷静で、
大人びた発言をすることがわかった。


《先生が生徒を褒めるのは、 当たり前のことだと思いますし、 先生は間違ったことしてないと 思います。》


正直、あれは俺ひとりだったら、
絶対悩んでいる事件だった。

教師として生徒の功績を褒めただけなのに、
それを他の生徒が不快に思って、
褒めた生徒を苛めるなんて、

俺は間違っていたのか?
生徒を傷つけてしまったのか、と、
本気で凹みそうになった。

けれど、滝野のあの発言。
間違っていないと断言する態度を見て、
俺は少し感動してしまった。

まさか、生徒にあんなに
勇気付けられるとは思っても見なかった。
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