先生の「特別」にしてくださいっ!
「先生は、
残酷なくらい優しい先生ですね。」

先生が出て行った後、
私はお兄さんに話しかける。

「…ん?起きてたの?」

お兄さんはちょっと驚いた顔をする。

「先生のお兄さん…
えーと医者だからお兄さんも先生だし
谷中先生だとかぶるし…」

「剛でいいよ。」

「呼び捨ては私が遠慮します。
というわけで話は戻りますが、
剛先生の言うとおり、
先生は教師としてやりすぎですね。」

「………聞いてたんだ?」

「半分寝てたんで、所々ですが。」

実際、言葉の端々しか聞いてないから、
どんな会話をしてたのかはよくわからない。
多分、私の話をしてたんだろうな。
ちょっと気まずそうな反応してるし…

「ていうか、
人が盗み聞きしたみたいな言い方、
しないで頂けます?」

人の枕元で勝手に喋ってたくせに。

「ごめんごめん。
それで?僕の言うとおりって?」

「私が言うのもおかしいですけど、
先生はお人好しすぎるんですよ…
普通の生徒だったら、
間違いなく、勘違いします!」

「勘違い?何を?」

「え…えっと…」

先生が自分を好きなんじゃないかって…
なんて恥ずかしくて言えない…
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