先生の「特別」にしてくださいっ!
「守はね…昔から嘘がつけないというか…
自分に正直で、やりたいって思ったことを、
後先考えずに、やっちゃうところあるから。」

「ああ…なんとなくわかります。」

それが良いとこでもあるけど…

「それが良いところでもあるんだけどね。」

さすが兄、わかってる。

「えっと…滝野さん、だっけ?」

「凛でいいですよ?」

さっきの真似して言ってみる。
真面目そうな兄は私を呼び捨てにするのか?

「え?ええ!?」

「いや、動揺しすぎでしょ。」

面白いなこの人。
彩音が楽しむ気持ちがちょっとわかる。

「じゃ、じゃあ凛さん。」

お、さん付けね。

「はい。で、話を続けて下さい。」

「凛さんは結構大人だから、
守のこと色々理解しているみたいですが…」

そんなことない…
頭ではわかってるけど、
やっぱりどこかで期待しちゃうもん…
先生は、私のこと…

「守は多分、
教師と生徒の境界線というものを
あんまり理解してなくて…」

やめて…その先を聞きたくない…

「今回はたまたま凛さんだったから、
良かったけど…
これが違う生徒なら…」

良くないよ!私でも良くない…

「守は間違……」

だめ!それ以上、言わないで!!
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