先生の「特別」にしてくださいっ！

「え！？」

剛先生は驚いて、
私を静止する手を止めた。

「これ、以上っ…
先生に、迷惑…かけた、くないっから…」

私は涙を流すことによって、
もっと呼吸が整わなくなり、
もうボロボロだった…

「凛さん…
………すみません。バカな弟で…」

剛先生は理解してくれたらしい。

謝らないで欲しいな。
…余計、切なくなるだけだから。

私が二人の言うように、
もっと大人だったらこんなことには
ならなかったのに…
そう、思ってしまうから…

涙が…止まらない…

「っはあ…コホッ…
悪いのは…わた、し…ケホ…です…ハァハァ」

私の呼吸器官が喋るのを拒むけど、
何かを喋らないと、いられない。

「凛さん！もういいですから、喋らないで！」

「ハァハァ…ケホッ…」

後から後から涙が出てくるから
全然呼吸は整わないし、
頭もいまだにぐらぐらしている。

「凛さん、ゆっくり深呼吸して。」

剛先生がそう言う声と、
背中を擦ってくれる手は
やっぱり兄弟だからか
どこかその弟に似ていて、

私は先生に背中を擦られている気がして、
どこか切なくなる…

もう、やめよう…
吹っ切らないと…

これで、いいんだよね？
良かったんだよね？

これで、前に進めるはずだよね？