先生の「特別」にしてくださいっ!
私も荒れていたのかもしれない。

今だったら、そうだよね…
と納得できたかもしれないけど、

当時は若かった。

「じゃあ、貴方の実力とやらで、
ソロ奪い取ってみたら?」

と思わず言い返してしまった。

そこからがもう大変。

もともと合唱部に入る子というのは、
音楽、歌が好きな子ばかりで、
小さい頃から楽器をやっていた子も多い。

そうなると音感は抜群で、
技術も素晴らしい子ばかりだ。

私に喧嘩を売った後輩もそんな感じの子で、
やたらプライドが高かった。

自分にはソロ曲がないのに、
音感のない私が学年が上というだけで、
ソロ曲を歌うことが、
許せなかったんだろう。

部長とかにも掛け合って、
オーディション式にするとまで言い出した。

私は真っ向から決闘を申し込まれたのだ。
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