先生の「特別」にしてくださいっ!
「そう、ですよね。
今さらですがそれで良いんですか?
何か大事な理由があって、
ここにいたんでしょ?」

「別に大事な理由なんて
最初からなかったんです。
一人暮らしは自由で楽だから、
続けたかっただけなんです。
だけど、
今回、風邪ひいて先生にも迷惑かけたし
だったら実家帰るかなーって
こういうことです。」

実は先生を好きだから、
離れたくなかったなんて言えるわけない。

「なるほど。」

「ところで、剛先生は?
先生に何の用事があったんですか?」

「あ、うん。
ちょっと聞きたいことあったんだけど、
携帯も通じないし。」

まあ、海外にいるからね。

「聞きたいこと?」

兄弟の話だろうから、
私が聞いてもしょうがないんだけど、
思わず聞いてしまった。

「あ…えっと…」

剛先生は言いづらそうだ。

「やっぱりいいです。」

別に興味ない。

「………あの!」

と思ったら剛先生は突然話し出す。

「はい?」

なんだろう?


「彩音さんは、どうしてますか?」
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