先生の「特別」にしてくださいっ!
「………すみません。」

「私もちょっと言いすぎました…
ごめんなさい…」

ちょっと冷静になった。

「…………」

気まずい沈黙。

剛先生の姿が弟の先生と被って、
ついつい言い過ぎてしまった…

「あ、あの!
彩音なら、文化祭で合唱部のミュージカルの
伴奏やりますよ?」

「え?」

「だから、その練習で今は毎日忙しいので、
何を言っても無駄だと思います。」

「でも…」

「もし会って話がしたいのなら、
文化祭にいらしたら、
良いのではないですか?」

「そうですね…
でも、文化祭って3週間後とかですよね?」

「そうですよ。」

「それまで、やっぱり心配なので…」

そういうと剛先生は鞄から携帯を取り出して、

「彩音さんに何かあったら
すぐに僕に連絡できるように、
番号、交換して下さい。」

「はあ…」

先生の携帯番号も知らないのに
その兄と携帯番号を交換してしまった。
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