先生の「特別」にしてくださいっ!
「And I know it's only in my mind ――」

だけど、エポニーヌは知っている。
所詮、それは絵空事だと。
自分の妄想だけの話だと。


朝が来て、
エポニーヌは、
マリウスは今ここにいないという現実を
思い知る。



そう。
先生は今、私の近くにはいないんだ。


当たり前だ。
私が出ていったんだから。


先生と私の日々は終わってしまったんだ。
先生はもう、私に興味がない。


先生が私といて楽しいというのは、


全部、

私の

妄想だった…



「But every day I'm learning――」



私は毎日思い知らされる。



私はただの一生徒。

先生のお気に入りでも何でもない
ただの一生徒。



先生は私なんかいなくても、
寂しくなんてないし、


私なんか、
きっと、目にも入っていない。


先生には私が必要ない…



わかってる…



だけど…
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