先生の「特別」にしてくださいっ!
それでも、
滝野の様子が少しでもおかしければ、
即刻、呼び出して話を聞こうと思ってた。

けれど、
学校での滝野の様子はいたって普通で、
それどころか、
前よりもよく笑ってる気がした。

文化祭前で忙しそうで、
生き生きしていて…


とても、楽しそうだった…


当たり前…か。

良い家族に囲まれて、
幸せに暮らしてるんだもんな。
俺と同じアパートに住むよりも、
ずっと幸せなんだろう…

滝野が幸せなら、
俺はもう何もすることはない。

あいつが幸せなら、
それでいいんだ。


それで…いい。


これで、良かったんだ…


良かった…んだよな?


なんだろう…


滝野の笑顔が俺の幸せのはずなのに…


好きだって言えなくても良いって思ってた
はずなのに…


滝野との距離が
どんどん広がっていく気がして、


どうして、


どうして、こんなに、


悲しくなるんだろう…
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