先生の「特別」にしてくださいっ!
「勇、さっき滝野、大丈夫だった?」

それでもやっぱり気になるし、
帰り際にちょこっと聞いてみる。

「あれ?あの時、いたの?
大丈夫そうだったよ。
それどころか、
傷見ようとしたら、掴もうとした手、
払いのけられちゃって…」

払いのけた!?
滝野が?

「なんでだ?」

「さあ…16にもなれば、
心は立派に女なんじゃない?
俺の彼女も俺以外の男に触られたくないとか
言ってたぜ?」

「お前の、のろけはいいから。」

滝野に…好きなやつが、いるってことか?

俺は目の前が真っ暗になりかけた。

「守も気を付けろよ?
今時は生徒に下手に触るとセクハラとか
言われるからな。」

もう勇の話が耳に入ってこない。

でも…

「まあ、滝野みたいな奴は、
滝野自身の
よっぽど好きな人以外が触ろうとしても
触る前に拒否られるってのが、
よくわかったけどな。」
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